スターバックスのマーケティング戦略を大解剖!第一想起を獲得している理由やマーケティングの秘訣は?

「カフェといえば?」

そう聞かれると、なぜだか真っ先に思い出してしまうブランド、スターバックスコーヒー。スターバックスはアメリカシアトルの1号店から始まり、今では世界各地で大人気なカフェチェーンとなりました。

今回は、そんなスターバックスを「マーケティング」の観点から大解剖していき、私たちが日々の業務や生活の中でも活用できるような再現性のある形にしてお届けできればと思います。

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スターバックスのマーケティングのポイントは「第一想起」と「好意度」

スターバックスのマーケティングで注目すべき点はたくさんありますが、すべては下記の2点に集約されます。

それが

  • 第一想起
  • 好意度

です。

スタバのマーケティング戦略:第一想起

第一想起とは「ニーズが発生したとき、真っ先に思い浮かぶブランドおよび商品」の事を示しています。

そして第一想起のポジションを獲得する事は、マーケティング活動の最終ゴールといっても過言ではありません。

というのも、第一想起のブランドは

  • 確実に検討してもらえる
  • 最初に検討してもらえる
  • 定期的に購入してくれる可能性が高く、リピート購入されやすい
  • オンラインでの指名検索率が高く、検討されたのち即購入されやすい

などなど様々なメリットがあり、簡単にまとめると「第一想起に入ることができれば、確実に買ってくれる可能性と、その後も買い続けてくれる可能性が高まる」ということです。

つまり、マーケティングで成果を創出するうえでは、第一想起に入るという努力は外すことができないといえるでしょう。

スタバのマーケティング戦略:好意度

次に好意度についてお話します。

好意度とは、プレファレンスとも呼ばれ、こちらもマーケティングにおいては重要な指標にあたります。

シマウマ用語集によると「プレファレンスとは、消費者のブランドに対する相対的な好意度、選好性のこと」と示されていいます。

また、このプレファレンスは「最終的にブランドや製品カテゴリーの市場シェアを決定する。市場シェアは、市場全体におけるブランドのプレファレンスそのものである。」とも言われているのです。

スターバックスのマーケティングはカフェ市場において、この「第一想起」と「好意度(プレファレンス)」の双方を獲得し、市場での揺るぎないポジションを獲得しているのです。

ここからは様々な観点からこの「第一想起」と「好意度(プレファレンス)」を高めているスターバックの施策をお話していきます。

高いのに買ってしまうのはスタバの「サードプレイス」への「好意度」

スターバックスのイメージといえばどういったものを思い浮かべますか?

  • おしゃれ
  • コーヒーがおいしい
  • 落ち着く
  • 作業がはかどる

など様々ですよね。

その他にもいろんなイメージを持たれていると思います。皆さんのスタバに対するイメージはきっと千差万別ではないでしょうか。

そんな中、皆さんのイメージの中に必ずと言っていいほど入っているのが「サードプレイス」です。

アメリカの都市社会学者レイ・オルデンバーグ氏によると、サードプレイスとは

「義務や必要性に縛られるのではなく、自らの心に従い、進んで向かう場所。趣味や息抜きなど心安らぐ場所

と定義されており、以下の8つの条件を示しています。

  • 中立性のある場所
  • すべての人に平等な場所
  • 会話が重視される場所
  • アクセスしやすい場所
  • 常連のいる場所
  • 控えめだが安心感のある場所
  • 陽気な雰囲気のある場所
  • 第二の家となる場所

よく「スターバックスの価値はサードプレイス」といわれれます。そんなスターバックスも例外なく、上記の8つの条件を多く兼ね備えているのです。

とはいえ、スターバックスに限らずドトールやタリーズも、負けじとサードプレイスに近い雰囲気を作り出しています。ドトールも快適な空間を提供し、タリーズも安心感んオある雰囲気をうまく演出しています。

ではこれらの競合との違いは何でしょうか。それは「サードプレイスのイメージへの好意度」です。

ここで新しく出てきた好意度という言葉について解説します。好意度は「プレファレンス」とも呼ばれ、「プレファレンスを制するものは、マーケティングを制する」といわれるほど重要な指標です。

ドトールやタリーズといったカフェも、おしゃれな雰囲気にリラックスできる空間を兼ね備えた素晴らしいカフェなのは変わりません。しかし、スターバックスの勢いにはなかなか手が届かないのも事実です。

というのも、スターバックスはサードプレイスそのものを押し出しているわけではなく、サードプレイスから生まれるイメージを押し出しており、そのイメージに対する好意度が強いことが特徴なのです。

例えば、

  • なんだかスタバで自分のゆったりとした休日を過ごせそう
  • スタバで作業している人はスタイリッシュでかっこいい
  • スタバに行ったら必ず気分がよくなる
  • スタバに行けば控えめで落ち着いていていて安心できる

などなど、「サードプレイスだから行く」のではなく、「サードプレイスから生まれるイメージに対する好意度が高いから行く」というイメージの方が強いのです。

これによって、私たちのスターバックスに対するプレファレンスは、そのほかの競合に比べて群を抜いているのだと思います。

またこういったブランドや商品に対する顧客のイメージや認識の事をパーセプションといいます。

このパーセプションは、プレファレンスを向上するうえで重要な要素となります。

しかしながらこのパーセプションは、あくまで顧客のイメージや認識にしかすぎないので、時に事実と異なっていることもあります。

例えば、多くの人が感じている「スタバは高い」という認識ですが、実はスタバの最安値は290円で、そのほかの競合とのコーヒーの価格の差も微々たるものです。

パーセプションは時に事実と異なる場面も多いため、自社のターゲットはどんなパーセプションを持っているのかを正しく認識する努力も必要です。

パーセプションと異なる施策を打てば、その認識のズレから顧客が離反してしまう恐れがあります。

新規開拓とリピートを離反させない努力

実はスターバックスはリピート率が以上に高いことをしっていますか?

LINE株式会社の調査によると『「月に1回以上」行くという人の割合が23%でもっとも高い」という分析結果があります。

さらに、次いで「2~3か月に1回くらい」「4~6か月に1回くらい」が19%』とのデータも存在し、『「スターバックスを知っているが、まったく行かない」という人は18%、「スターバックスを知らない」という人は1%』という結果になっています。

スターバックスは「一回も行ったことがない人」はほとんどいないほどの有名店なのは自明です。

つまり、スターバックスの顧客はほとんどがリピーターなのです。ここまでリピーターを増やし、継続的に来店させているのはスターバックスの顧客を離反させない努力の賜物です。

ここからはスターバックスの顧客を離反させない施策についてお話します。

スタバの顧客離反防止施策①:新作フレーバーの開発

今回、具体的に注目したのは「期間限定の新作フレーバーの開発」です。

スターバックスの歴代の新作を見ていると、2015年よりフラペチーノを中心として1年間に約17種程度の新作を発表し続けています。

スターバックスといえば新規フレーバーの開発のスパンがありえないほど短く、そして素晴らしく全店舗が統率されて同じ味を表現しています。これはそのほかのコーヒーチェーンではなかなかマネできない施策です。

ここまで徹底して新作の発表をしている背景は様々ですが、一番の目的は「リピート顧客によるブランドの再想起」を狙っているからです。

売上は大きく「トライアル売上」と「リピート売上」に分類されます。それぞれその名の通り、新規の顧客によってもたらされる売上がトライアル売上、既存の顧客によってもたらされる売り上げが「リピート売上」になります。

ただどちらの売上も必ず「想起」という重要なポイントを通過したうえで成り立ちます

私たちの購買行動を振り返ってみても、どんなにその商品に興味があって理解している状態であっても、すぐ買うことはなかなかありません。ニーズのスイッチが入った際に、「そういえば….」という形で購入に至ることがほとんどです。

特にカフェはその傾向が強いです。以前行ったスタバのすばらしさを理解していながらも、その場で即来店することはありません。「時間ができたな…そういえばこの辺にスタバあったっけ?」のようなニーズが発生する事で初めて思い出され、来店につながります。

先述の通り、スタバに行ったことのない人はほぼいないので、多くの人はほぼ一回以上は来店しています。

つまり、「もう一度来てもらうために、いかにしてスタバを思いだしてもらえるか」が重要になります。そこで「スタバの新作」を頻度高く開発し、宣伝することで想起のきっかけを作り出しています。

感度高くスタバの情報を収集している人が「スタバが新作また出した!」「おいしい」というクチコミがSNSや友人の間で話題になることで、多くの人がスタバの体験を再想起するきっかけとなり、来店する理由になるのです。

スターバックスのコンテンツマーケティングは「ブランドエクイティの向上」が目的

ここからはスターバックスのコンテンツマーケティングについて詳しく紐解いていきます。スターバックスはカフェ業態としては珍しくオウンドメディアを運営していたり、SNSで継続的に顧客と接点を持つ施策を行っていました。一つ一つ説明できればと思います。

ブランドエクイティを高めるためのスタバのオウンドメディア

スターバックスは「ブランドエクイティを高めるためのオウンドメディア」を運営しています。

スターバックスは「スターバックスストーリーズジャパン」というオウンドメディアを運営しています。カフェ業態を営む事業が、オウンドメディアといった長期的にかつカロリー消費が高い施策に投資すること自体が驚きです。

そこに加えてスターバックスは、「オウンドメディアのゴールをブランドエクイティの向上に全振りしている」というところが特徴です。

通常オウンドメディアを運用する際、流入数の最大化を狙っていくためのSEO対策と同時に、コンバージョン(CV)を獲得するための「CRO対策」も実施します。

というのも、コンテンツを経由してCVを獲得することで、成果につなげることがオウンドメディアの運用の目的になるからです。

しかし、スターバックスストーリーズジャパンは記事コンテンツ内にCTAがあるわけでもなく、かつSEOとしてのキーワードを意識したライティングを実施していません。

その代わり、スターバックスで働く個人の方へのインタビューや店舗に関する最新情報等の質に高いコンテンツを発信し続けています。これらの事から「スターバックスとしてのブランドとしての価値を高めていく」ことを目的としたオウンドメディアだといえます。

その他のスターバックスのマーケティング施策

日本のスターバックスでは、文化的な背景から名前を呼んでもらえる店舗は少ない傾向にありますが、海外のスターバックスではドリンクの受け渡しで名前を呼ぶ文化があります。

これはスターバックスのコミュニケーション戦略の一つであり、「ネームコーリング効果」という心理学を活用した仕組みになっているのです。ネームコーリング効果とは、「名前を呼ばれることで自分を知ってくれていると感じると相手を好ましく思う傾向がある」というものです。

スターバックスはこの心理効果をコミュニケーションに取り入れ、顧客の店舗での体験を向上させています。

最後に

今回はスターバックスのマーケティング戦略を分析しました。その結果、

  • スターバックスはマーケティングで大事な「第一想起」と「好意度」を使いこなしている
  • リピーターに体験を「再想起」させるための施策も充実
  • 新規の顧客も取り逃さないような施策を設計

といった戦略を展開していることが分かりました。スターバックスは完成された超大手ではあるものの、抽象的な概念は大きく変わることはないでしょう。あなたもスターバックスのマーケティング戦略をマネしてみてはいかがでしょうか?

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