【2023年最新】どの企業も追い求める「PMF」とは?その意味からPSFなどのほかの指標との違い、手法まで一気に解説!

倒産した会社、その理由の半分を占めているものが何か知っていますか?

スタートアップ業界では日々、国内外問わず、世界をひっくり返してしまうようなプロダクトが開発され続け、そんな夢のある革命に、多くの投資家が何十億というお金を投資しています。本当に夢のある話ですよね。

しかし、現実はそう甘くありません。アメリカのスタートアップの成功率はたったの5%。そして起業や会社経営に対して比較的に意欲的ではない日本であっても、5年後には5社に1社しか生存していないといった厳しい世界があります。

このような厳しい現実に私たちは不可抗力を感じるかもしれません。しかし、実は失敗する起業にはある1つの共通点があったのです。それが「PMF」の欠如です。

PMFとは?スタートアップには必須の指標!

PMFとは「プロダクト・マーケット・フィット」のことを指しており、提供しているプロダクトやサービスがマーケットのニーズに合っている状態の事を意味します。

アメリカのスタートアップ業界では、PMFなしでは、どんなに優秀な創業者や経営者であっても事業が成功することはないといわれています。StripeやAirbnbなどの超大手スタートアップ企業を輩出してきたYコンビネーターは「Make Something People want」というスローガンを掲げました。「人々が欲しいと思うものを作れ」です。

このスローガンは一番単純で、誰もが理解している当たり前のことです。しかし、ほとんどの企業が実践できていないのが現状です。実際にスタートアップの撤退要因についての研究では、約50%のスタートアップが「市場が存在しなかった」という理由から撤退を余儀なくされていました。

事業の成功にこれほどかかわってくるPMFですが、実はその定義はあいまいで、さらにそこに到達するための手法もさらにあいまいです。つまり具体的に「何をすればPMFできる!」という明確なメソッドは残念ながらありません。

しかし、いくつかのPMFを成功させた華麗なる事例と、そこに付随する「PMF達成には必要不可欠なこと」ならいくつかピックアップすることはできます。

事例や実践的なスキルをお伝えする前に、まずはPMFについて、ビジネスの本場アメリカの研究者たちの見解や意見、そしてデータとともに理解を深めていきましょう

BtoBマーケティングPMF:市場がなければいいものも売れない

よく目にする失敗してしまう企業の特徴は「正しい」プロダクトではなく「完璧な」プロダクトを実現しようとしてしまう点です。Viber の元シニア・プロダクトマネジャーであるイダン・ダドン氏はこう話しています。

非常に多くのスタートアップが、”正しい”プロダクトではなく、”完璧な”プロダクトを実現しようとして、失敗します。そういう私も、同じようなミスを経験していて、マーケットの需要ではなく、プロダクトに集中しすぎてしまったことがあります。

どんなにいい商品を作っても、商品を買いたいという顧客がいて、市場がなければ売れません。一見すると当たり前のように感じてしまうのかもしれませんが、自社が介入しようとする市場を顧みることなく、思いを反映させるだけの商品を作っている企業は後を絶たないのです。

BtoBマーケティングPMF:PMFのサインや基準とは?

ここまでPMFが一体どんなものなのかについてお話をしてきました。では実際に「自分の会社はPMFしているのかどうなのか」「PMFしている状態はどんなものなのか」が非常に気になってきているのではないでしょうか?そこで、ここからはPMFになった時のサインやどんな状態になるのかというのをもっと具体化していきましょう!

まずは、PMFを達成するまでのイメージを明確にしましょう。ここではSquareに買収されたTwitchの共同創業者。エメット・シーアの言葉を引用します。

PMFが見つかる前は大きな岩を押しながら山を登っている状況だが、PMFを見つけた後は山頂を越えて大きな岩が転がるのを追いかけている状況である。

これはPMFした時の状態を上手く表しています。PMFがない商品は広告の出稿を頻繁にしたり、営業が必死に売り込みをかけたとしても、申し込みがなかなかもらえないという状態です。それはまるで、大きな岩を押しながら山を登るようなものでしょう。

しかし、一度PMFを経験したら、商品が顧客に引っ張られるように売れていき、顧客が商品を使い続けてくれたりリピートしてくれるようになります。また、そういった顧客が口コミで顧客を引っ張ってくれるようになるなど、まるで大きな岩が転がるの追いかけるような感覚に似ています。

つまり、市場に受け入れられるか否かで企業の命運は左右されます。PMFを達成するまでは大変な道のりですが、達成してからはその業績はみるみるうちに右肩上がりになり、自分たちがついていけないほどに会社が成長していくのです。

ここからは「PMFが達成されたときにおこる明確なシグナル」についてお話していきます。

PMFシグナル

◇問い合わせが急激に増加する
◇顧客獲得コストが急激に低下する
◇商品開発が顧客ニーズに追いつかない
◇採用が追い付かず、常に人手不足の状態が起こる
◇売上ではなく、利益がどんどん出る

これらのシグナルが出たら、「PMFを達成している」といえるでしょう。実際に、クラウド人事労務ソフトを提供する「SmartHR」はPMFに成功し、一気に売上と利益を増加させ、その知名度を広めていきました。後ほど詳しくPMFを達成した企業の事例についてはお話していきます。

先ほど、PMFを達成しているかどうかを示すシグナルを複数提示しましたが、今度はもう少し具体的にそのPMF達成シグナルをご紹介していきます。

まずは、営業部門においてPMFのシグナルとなるものを3つご紹介します。

営業部門でのPMFシグナル

◇商談から受注までの検討期間が異常に短い
◇受注数が伸びていて、解約も少ない。そして顧客満足度も高い
◇比較的未熟な営業パーソンでも受注ができている

つまりPMFを達成するということは、商談を通してあなたがプロダクトのすばらしさを伝えようとする前に、顧客は商品の魅力やそこにあるニーズを理解し、すでに購買意欲が高まっている状態なのです。市場のニーズに的確に応えることで、商談に持ち込む前に「戦わずして勝っている状態」であるといえるでしょう。

次に、マーケティング部門から見たPMFシグナルをお話します。

マーケティング部門でのPMFシグナル

◇低いCPAでリード獲得ができる
◇成約コストが低く、利益率が高くなっている
◇プレスリリースへのエンゲージメントが高い
事例インタビューの快諾
◇リファラーで問い合わせ、商談が来るようになる

本来、マーケティグ部門の仕事は、広告からコンテンツ作成まで様々な投資を行うことでリードを獲得、その中から見込みのあるものをMQLとして次の部門に引き上げていくことです。しかしPMFを達成している企業の場合、このマーケティング部門本来の仕事の工数が圧倒的に少ない状態で、成果が上がる点が特徴として挙げられます。

その他のPMFシグナル

顧客が感じている価値を明確に言語化出来る
顧客からの満足度の高い声が届く
リファラーが多くなる
競合優位性を言語化出来る

PMFを達成した企業はこういったシグナルも発現します。市場にあなたのプロダクトの利点を理解し、勝手に拡散され、最終的に誰もがあなたのプロダクトの購買意欲が高まっている状態であるといえます。

このような状態をめざし、まずは「大きな岩を押しながら山道を登る」ところから始めていきましょう。その中で、顧客の解決したがっている課題や潜在的なニーズを言語化していき、地道に深ぼっていくことでPMFを達成していけると理想的です。

事業を開始し、商品をリリースしてからすぐにPMFするといったことはめったにありません。つまり、長期的にPMFを狙っていくようあきらめないようにすることが重要なのです。

加えて、突如PMFを達成するといった場合も十分にありえます。リリースはしたものの全く売れず、コストがかかり過ぎていた商品も、あることをきっかけにPMFを達成し、一気に売れていくといった場合もあるのです。

BtoBマーケティングPMF:PMFを達成することの真の意味

ここまでPMFを達成すると「コストや工数を激減させ、業績が上がっていく」といったメリットがあることを実際のサインとともにお伝えしてきました。

ここからは、PMFを達成することの真の意味についてお話していきます。

PMFを達成する真の意味とは、「企業と顧客の双方が幸せになること」です。PMFを達成した状態を思い浮かべてください。顧客満足度は高く、自然と口コミを広めてくれるような状態です。事例記事のインタビューも快く承諾してくれ、契約更新や利用継続してくれます。

また、顧客がこのように自社のプロダクトを評価してくれることで、従業員のモチベーションは高まります。以前よりもより業務にコミットし、顧客視点を一層意識していきます。これによって顧客との関係値が高まり、ブランドとして評価されるようになります

つまり、PMFを達成することが意味するのは、業績がアップしたり事業がうまく推進するといった「機能的な価値」のメリットだけでなく、顧客満足度が高まったり、従業員のモチベーションアップや顧客との関係値の向上といった「情緒的な価値」の意味合いが大きいのです。

PMFは企業側にも顧客側にも大きな価値を提供します。困難な道のりであっても、しっかりとPMFを達成することを目標としましょう。

BtoBマーケティングPMF:PMF達成に必要な7つの手法

ここから、PMFを達成するためにどんな手法はあるのか、7つの手法を紹介させていただきます。

  • 顧客視点
  • 入念なリサーチ
  • コンサルティング経験
  • コンセプト磨き上げ
  • ターゲットスイッチ
  • 穴を見つける
  • 市場の変化への対応

ここから一つずつお話していきます。

PMF達成の手法1. 顧客視点

PMFはその言葉の通りマーケット(市場)にプロダクト(商品)をフィット(合っている)させた状態です。つまり、市場のニーズにしっかりと耳を傾け、それらを深堀する必要があります。そのためには絶対的に「顧客と向き合い続ける」必要があります。

この場合特に、あなたの会社のプロダクトが「いかにして顧客を成功に導くか」をしっかりと観察することが大事です。言い換えれば、徹底的に顧客視点になって物事を考える必要性があるのです。

PMF達成の手法2. 入念なリサーチ

PMFを達成していくにあたって、市場の入念なリサーチは言わずとも必要不可欠です。特に、市場に対して後発で参入する際に非常に重要になります。既存市場で既存商品がほとんどのシェアを占有している中、「その市場の中で、顧客が必要に感じているにもかかわらず埋められていない穴はどこにあるか」を徹底的にリサーチしていくことが重要です。

PMF達成の手法3. コンサルティング経験

もしあなたがSaaS系の企業なのであれば「導入支援」といった形で顧客の事業へコンサルティングを行うケースも少なくないでしょう。そういった機会にPMFを達成する可能性も高いのです。

コンサルティングは顧客企業と深くつながることができます。これを機に、顧客の真の課題、顧客さえも感じていない課題、予算感、導入までの意思決定プロセスと速度など把握しやすくなるでしょう。つまり、PMFを達成するために、ただ開発して販売し、フィードバックを得る事よりも、より多くの顧客ニーズを理解することができるのです。

PMF達成の手法4. コンセプト磨き上げ

PMFを達成していくにあたって、事業のコンセプトが理解しやすい・受け入れられやすいことは大変重要です。

事業コンセプトを磨きなおす際に以下の事を意識してみてください、

  • そのコンセプトに独自性があるか
  • 解決できる課題が一目でわかるか
  • 課題を解決する方法が一目でわかるか
  • 多くの人が共感できるか
  • ターゲット層のリテラシーに合っているか

かなり細かいとことにはなりますが、顧客ファーストなコンセプトであれば、PMF達成に向けて大きな一歩になったと考えられるでしょう。

PMF達成の手法5. ターゲットスイッチ

現在、プロダクトがうまく販売できていないという場合、そもそもの想定しているターゲットと実際のターゲットに相違が生まれている場合が考えられます。自分たちが提供できる価値の本質を深堀りしていくことによって見つけ、その価値が最適解となるような顧客を見つけることが重要です。

また、よくある失敗が「ターゲットがうまく絞り切れていない」という事態です。どの層に解決策となりあなた自身のプロダクトが刺さるのかを見直す必要があります。ターゲットを絞り込んでしまうことで可能性を狭めてしまうのではないかという懸念もあるかと思いますが、逆にターゲットをひぼってしまうことでPMFしやすくなります。

まずはあなたのプロダクトのターゲットを見直していきましょう。

PMF達成の手法6. 穴を見つける

市場の穴を見つけて埋めてしまうことも大変効果的です。ある経費精算システムの会社は競合が数多と存在している中、経費精算を自動化して簡易化するだけではなく、経費申請の代行までをサービス内容とすることでPMFを達成しました。

ここで重要なのは、顧客が真に求めていて、かつ競合が気づいていない課題を埋めるようなプロダクトを設計する必要があります。かなり難易度が高いですが、そのぶんPMFを達成できる確率も大変高いのです。

PMF達成の手法7. 市場への変化の対応

日々市場は移り変わっています。例えば働き方改革の変改や法制度の導入、革新的なデバイスの拡散などにあたります。こういった変化は顧客のあなたのプロダクトに対するニーズの変化にもつながります。

よって、そういった市場の変化に敏感になっていく必要があります。とてつもないスピードで変化していくので、それに追いつけるような素早い組織体制の準備が求められるでしょう。

BtoBマーケティングPMF:PMF達成フレームワーク

お待たせしました!ここからついに「PMFを達成する具体的な6つの手法」についてお話していきます

  • CPF
  • PSF
  • SPF
  • PMF
  • GTM
  • Growth

まずはPMFするまでに必要な4つのフェーズについて紹介します。

いきなりPMFを達成したという例はまれにあります。しかし、PMFを論理的に、そして斎下性高く達成していくには段階を踏んでいくことが重要です。上のような図を用いていくことで、一つ一つ着実に進めていくことが重要です。

いったん、CPFからPMFまですべて無事達成できたら、次は具体的なスケールのフェーズに入っていきます。ここでは先ほどの「CPF→PSF→SPF→PMF」に「GTM」と「Growth」という要素が混ざってきます。

これは、PMFで市場に受け入れられたプロダクトを、次はいかにしてスケールさせていくべきかをかんがえるジャーニーになります。ただ市場に受け入れられるだけではなく、あくまで事業として成長していき新しい可能性を見出していくことが重要です。

とても重要なところなのでここから実際に一つ一つ説明していきます。

PMF達成フレームワーク:CPFとは

CPFは「Customer Problem Fit/カスタマー・プロブレム・フィット」を示しています。これは「顧客とこちらが想定している課題がどれくらいフィットしているか?」を示す指標になります。簡単に言い換えるなら、PMFを狙っていくうえで最も重要な「顧客解像度」とも言い表されるでしょう。

顧客解像度とは「顧客がいつ・どんな課題を・どこで感じ・どんな解決方法を望んでいるか?」を明確にすることをさします。通常は商談や事例記事の作成、インタビューなどの顧客と直接的に接点を持つことができる行為を何度も繰り返していくうちに明確になっていくものです。

まずはフィールドに出て既存の顧客や満足度が高かった顧客に対してのインタビューをおこなったり、ベテラン営業や創業時から営業の一角を担う役職の人に失注・解約理由をヒアリングするなどの手段があります。

まずは顧客の課題とのミスマッチがないかどうかを確認し、「顧客解像度」を高めていく動きをしていきましょう。

PMF達成フレームワーク:PSFとは

PSFとは「Problem Solution Fit / プロブレムソリューションフィット」と呼ばれるものです。先ほどCPFを検証していくことで、顧客と自社が定義している課題との認識のずれを修復しました。次に行うのが、その課題に対して適切な解決策をフィットさせるというプロブレムソリューションフィットという動きです。

解決策と課題にミスマッチが起きてしまい解決することができないのなら、自社の介在価値がありません。そこで課題に対する解決策として適しているかを検証していきます。

よくありがちなケースが課題の解決がかなり表面的になってしまうケースです。これではPMFを達成することはできません。例として、SEOに課題を持っている企業に対してサービス提供するとします。その際、そこに対してノウハウに共有を行ったとしても意味はありません。解決策として適切なのは「SEO人材の派遣」や「委託策の紹介」、「伴走型支援」などになるでしょう。

CPFで定義した課題の本質をもとにしてまずは解決策とのミスマッチを防いでいきましょう。

PMF達成フレームワーク:PSFとの違いとは?

よくある間違いが「PSF」と「PMF」の区別がうまくつかなくなってしまうことです。

実際にはPSFとPMFは達成する段階が違っています。この段階を間違えて認識していると、PMFを正しいプロセスで達成することはできません。

先ほども同じが層を見せたかと思います。

PSFはあくまで「課題と解決策がマッチしているのか」を図っている指標になります。それに対してPMFはぷrダクトがマーケットにマッチしているのかを問う手法であるといえます。

また、プロダクトは常に何かしらのペイン(課題)に対して作られるものなので、通常的に考えれば、自社のプロダクトは果たして顧客の課題の解決策となりうるのかどうかを測定しておくことが重要です・

まとめるとPSFはあくまで課題とその解決策の整合性の問題

PMF達成フレームワーク:SPFとは

SPFは「ソリューションプロダクトフィット/Solition Product Fit」の略です。ここでは先ほどの解決策をいかにしてプロダクト化できるかを検証していきます。プロダクト化出来るかどうかを判断する基準として予算感や社内人材のスキルなどの持ち合わせる既存資産をもとにして考えるとよいでしょう。

顧客が解決策として自社のプロダクトを選んでくれるにはどうするべきかなども合わせて考えられると理想的だといえます。

PMF達成フレームワーク:GTM戦略とは?

GTMとは「Go To Market/市場進出戦略」を指します。このフェーズはPMFを達成した後にやってくるものです。実際にPMFを達成したプロダクトを次はどう横展開していけるかが試されます。

このGTMは詳細な計画が必要とされます。具体例としては以下の項目を考えましょう。

  • プロダクトが独自に解決できる問題とは何かを再定義する(WHAT)
  • PMFを通して結果的に市場でどんな人がプロダクトを求めていたのか?(WHO)
  • どこで製品を販売するのがベストか?(WHERE)
  • どうすればターゲットとする顧客にリーチし、需要を創出できるのか?(HOW)

主にPMFを行う際に考えてきたものではありますが、今一度状況を再定義していくことが重要です。加えて先ほども言いましたが、PMFによって作りだした適合を、ほかのところでも作り出すという意識が重要です。

PMF達成フレームワーク:GROWTHとは

最終フェーズは言葉の通り「GROWTH」させていきましょう。ここまでPMFを達成する事によって、多くの顧客を獲得し、それに伴ってリードから受注案件を含む顧客のデータも豊富になったと思います。今度はそれらのデータをフル活用し新規事業やサービスのよりよい改造に努めましょう。

例えば同じソリューションを提供したとしても、もっと大きな課題が解決される市場へと進出したり、クロスセルとして自社プロダクトの次の段階にあたるプロダクトの開発・販売を行っていくとよいでしょう。

文字通り、PMFを達成したプロダクトを起点に、次なる成長を求め続けることが重要なのです。

BtoBマーケティングPMF:プロダクトで最も注力するべき点

先ほど冒頭でPMFを達成した際のサインを数多お伝えしました。しかし、あれらはチェック項目でしかありません。最も重要なのは「PMFを達成しようとするとき、どこの数字を注目していくべきなのか?」という点です。

結論から言うと「リテンション率」を追っていくとPMFに直接的につながってくると考えいます。これはレニー・ラシツキという専門家が唱えた「定義マトリックス」の中に、リテンション・グロース・プロフィットを最適化していくことがPMFに最も近い手法であると定義づけています。つまり、リテンションに注目していくべきだということです。

PMFで注力するべき点:リテンションが一番重要

リテンションとはすなわち継続率を示すものであって、サービスの価値を示す重要な指標にもなります。そして世界各国で成功を修めてきたビジネスマンたちはこのリテンション率を一種の重要な指標として認識しているのです。ダン・オルセンは、

リテンションカーブの最終地点に注目してください。リテンションカーブがゼロになってしまうと、PMFがないことになります。PMFのためには、リテンションカーブがゼロではないリテンション率の割合まで、平坦になるようにします。この割合が高ければ高いほど、PMFのレベルが高いと言えます。

つまりここで言いたいのは「リテンションされないプロダクトはPMFまでの道のりは遠い」というもの。リテンションされない、継続されないということはあなたのプロダクトが顧客の課題を解決するのは不十分であり、継続して利用したいと思わせることができなかったということを示しています。グロースハッカーズのショーンエリスは以下のように話しています。

PMFを検証するには、ユーザーが実際にプロダクトを試し、その価値を体験することが必要です。PMFの最良の指標は、プロダクトを利用したユーザーのリテンションです。

自社プロダクトのリテンションをいかにして定義するかを決めて、守り抜きましょう。PMFの達成のためにはプロダクトを様々な手法でテストし続ける必要があります。

Yコンビネーターのグスタフ・アルストマは次のようなステップを紹介しています。

1.ユーザープロダクトを利用し、その価値を体験したことを示す指標を特定
2. その指標のリピート回数を測定
3. 今度はリテンションを測定し、フラットなリテンションカーブを目指す

ここまで徹底してリテンションの指標を作ることができれば、この指標を動かしていくトライアンドエラーを行っていきましょう。例えば、出戻りユーザーを増やすための獲得戦略を作ったり、UI/UXの見直しを行ったりなどです。

多くの企業が見落としがちな「リテンション」は実は、PMFを達成するうえで非常の重要な指標です。今一度、リテンションを高める施策を作り直し、PMFを積極的に狙っていくとよいのではないでしょうか?

BtoBマーケティングPMF:PMFを達成してビジネスを推進した企業たち

実際に、PMFを達成した事例たちをこれから紹介していきます。

PMF事例:CLOUDSIGN

PMFを見事達成した事例の一つとして挙げられるのはCLOUDSIGNさんです。こちらは電子契約サービスを提供している会社であり、これまで印刷から郵送まで手間のかかっていた作業を、SaaS型サービスによって効率化しました。

CLOUDSIGNがPMFを達成することができた秘訣とは、「契約手続きは煩雑な作業であるが、人の手によって行うことが必要」といった共通的に感じていた解決できそうにない課題を鵜なく解決した背景にあります。

これには「多くの人が感じているが解決できていない課題」に目を付けられる観察力はもちろんの事、「契約は人の手によって行わないと怖い」という点も難なくカバーできるその製品力にあります。

市場の解決したい問題とその解決策、そしてそれを上手く具現化出来るプロダクトがあるからこそPMFを達成したといえます。

PMF事例:SmartHR

労務管理ソフトを提供するSmartHR。彼らもPMFを達成した企業の一つです。彼らがPMFを達成したきっかけというのは「ターゲットの深堀り」を進めた点にありました。当初SmartHR顧客となるターゲットは「社員数が数百名の会社」としていました。

IT関連のリテラシーの高い層には受け入れられるようになりましたが、飲食店などの業種にはITリテラシーが高い層がなかなかおらず、PMFから一気に遠ざかったという過去があります。

しかし、シンプルな設計やリテラシーがそこまで高くない人に向けた設計を突き詰めていくことで現在では4年連続シェアNo1という偉業を成し遂げました。

PMF事例:タイミー

スキマバイトサービスを提供するサービス「タイミー」。この企業のPMFの達成はかなり長期的に及びました。

このサービスは大きく市場の変化に左右されてきました。一番大きな例でいうと「コロナ渦による影響」です。飲食店がコロナ渦によって衰退の一途をたどっていました。これによって契約を取り消されるような事態が連発しました。

その際、逆に需要が高まってきた物流系の企業との契約の注力していくことでPMFを達成しました。このようにターゲットを市場の変化によって変えていくことでよりPMFに近づくことができるのです。

最後に

PMFの本質は、顧客や市場の向き合い続けることが本質です。リリースした商品が全く売れない、解約率が高くリテンションがなかなか高まらない、そういった問題によって顧客に真剣に向き合わざるを得なかったのです。こういった経験がPMFを達成するきっかけでした。

加えて、PMFは一度達成して終わりではないのです。事業の成長のためには、1度達成したとしてもそのほかのセグメントに対して2度目、3度目と段階的にPMFを目指す必要があるのです。

常に顧客や市場に目を向けて、向き合い続ける事こそ、PMFの本質とも言えます。PMFを常に確認し続ける必要があるのです。

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