スミノフのマーケティング戦略

日本でも人気のウォッカブランド「スミノフ」。
赤と白のラベルのグレープフルーツ味が特徴的で、大変飲みやすい商品です。

現在このスミノフは、世界のウォッカランキングで堂々の1位を獲得しています。

その若年層にうけるおいしい味はもちろんのこと、「なぜ世界のウォッカランキングで堂々の1位を取ることができたのか」をマーケティングの観点からお話します。

今回特に、スミノフの「価格戦略」「キャッチコピー」にひみつがあったのです。

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1. コピーで魅せる

スミノフは当初、「よくわからない酒」といわれ、全く売れていませんでした。

その当時、スミノフは「ロシアの飲みもの」「社会主義のモノ」「外国のもの」などといったイメージを持たれていたのです。

しかし、あるコピーライターは、スミノフのある面白い事実に気づきました。

それが「スミノフを飲んだ後、お酒の匂いが息に残らない」という点です。

きっと「だから何??」となる人が大半だと思います。

しかし、この特徴を存分に生かしたキャッチコピーが、個性的で素晴らしかったのです。

「スミノフウォッカは驚くようにあなたに臭いを残しません」

このキャッチコピーのおかげでスミノフの売上はうなぎのぼりに。
みるみるうちにその売上はトップクラスになりました。

ではなぜ、このキャッチコピーが莫大な売上生んだのでしょうか?正直、お酒を飲んでも臭いが気になるなんてケースはごく稀です。あったとしても社交の場であったり、会食の場であったりなど。

そういった面からお酒の匂いに何かしらの負を感じている層というのは極端に限られてくるのではないかと考えるでしょう。

しかし、スミノフは多くの人が言語化しない「お酒の匂いが匂っては困るある場面」をイメージしていたのです。

それは「ランチタイムや仕事でお酒を飲んだ場合」です。
こっそりランチの途中で飲んだり、仕事の付き合いで会食などを開いた時に、お酒の匂いがするのはかなり危険です。こういった多くの人が語りたがらない需要を見つけ出したことがスミノフを大きく前進させたのでしょう。

多くの場合、需要は一元的にしか理解されていません。
しかし、一元的な需要のみで顧客を獲得するのは厳しいです。

まずは「商品ではなく、売り方を変える」ことが一番です。また周囲が気づいていない需要を見つけ出すことが大切です。

2. 世界一の価格戦略

スミノフのマーケティングで特に多くの人が注目しているのはその独特の価格戦略です。

当時、米国のウォッカ市場でトップを取っていたスミノフはあるライバルの登場によって、その地位を脅かされていました。

それがウォルシュミット社という新しいウォッカブランドです。

彼らはその当時、市場のトップ独走していたスミノフと同じ品質で、1ドル安いウォッカの販売を始めたのです。
そう、スミノフは競合をウォルシュミット社によって強制的に価格競争に巻き込まれたのです。

これによって、一時期スミノフの売上が大きく落ちてしまいました。

この事態に対してスミノフは何とか打開策を打とうとします。

通常価格競争に突入した場合、こちらも応じてしまうのはあまり好ましくないとされています。
例えばクオリティーを求めたり、別の顧客層を狙ったりなど、価格競争を逃れる手を打つことが多いでしょう。

しかしスミノフ社はあえて価格競争に応じるという手段を取りました。

そんなスミノフの価格戦略とは

  • 既存のスミノフを1ドル値上げする
  • ウォルフシュミット社と同価格のウォッカを別ブランドとして開発
  • 低価格のウォッカをもう一つ開発

という3つの種類のウォッカを開発し、販売するというものでした。

既存のスミノフを値上げした点は、「値下げ合いの共倒れを防ぐ」ことを主な目的としています。

価格競争が生むものは何もありません。値下げが起こることで利幅が減少していき、販売数を増加させないといけなくなります。すると必然的に値引きの戦争は続行され、結局は2社ともつぶれる羽目です。

よってまずは「値引き戦争」をしないための手法を実践したのです。

加えて、スミノフは市場のリーダーとして多くの人に愛されてきました。このことから、値上がりしても、ブランドを愛し続けてくれる人は一定数いると考えられます。

このことから値上げを決意したのです。

それに対して競合と同じ値段の新商品と、それよりも低い価格の新商品。

この二つの新商品を発売した意図は何だったのでしょうか。

それは囲い込みを行うため。

マーケティングは日々、「狙った層に向けて、適切なコミュニケーションを行う」ことが基本とされています。そして価格もそのひとつの要素といえます。

従来のスミノフを好む顧客は2ドル高いお金を支払っても、既存の安心した味を求めます。
そして、競合と同じ価格の新商品で、競合の商品と直接ぶつかり合います。
そして、廉価でウォッカを楽しみたい顧客は一番安い低価格の新商品を選ぶに違いありません。

このように、囲い込みを行うことで顧客がウォッカを購入する際の選択肢を自社のみに限定したのです。

価格は顧客層に変化をもたらし、購買の動機に甚大な影響を及ぼします。

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3. 廃れないその努力

スミノフは戦後から長く続くお酒でありながら、実はメインターゲットは若者なのです。

このあえて若年層をメインターゲットとしたその意図は、「時代の変化によって廃れないため」であると考えます。

ウォッカという度数が強いお酒は、若年層から好んで飲まれるかというとそうではありません。

なぜなら彼らは度数の強いお酒で気分を良くしたいのではなく、お酒を飲んで何か楽しい事をやりたいのです。

ではどのようにして「度数の強いウォッカ」を「大人気な若者向けのアルコール」に変えたのでしょうか?

その秘密は「ソーシャルメディアの活用」にあります。

スミノフはFacebook、Twitter、YouTube などの現代的なソーシャル メディアを使用して、さまざまな方法で視聴者を引き付けています。

またそういったソーシャルメディアの中でキャンペーンを開催し、常にアテンションを得続けています。

スミノフが行ったナイトライフエクスチェンジというイベントは、各国のスミノフ愛飲者に対して、レシピや画像、思い出などスミノフに関する体験を語ってもらったのです。

これは大きくブランドの価値観の共有につながっていきました。

またこれらを動画コンテンツ化し、様々な媒体で共有していきました。

これによって、ソーシャルメディアにおけるスミノフは一目置かれる存在となったのです。

実は現在「流行っている」といわれるもは、すべてとっかかりは若年層なのです。

インスタグラムも現在は50~60代のユーザーが急増していますが、もともと若年層が広げたサービスです。

このように、サービスの認知度を高めたり、販路の開拓を行う際は必ず若年層を意識していくとよいのかもしれません。

4.まとめ

今回のスミノフのマーケティング戦略から学んだことは大きく3つです。

  • 多面的な需要を探す
  • 価格で顧客の層を囲い込む
  • 若年層を意識したマーケティングを行う

本日もありがとうございました!

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